それほど大儲けしなくても、堅実に働いてつつましく生きていければいい。そう考えている人は多いと思います。正確には多かったと言うべきでしょうか。 コロナの流行によって、そのささやかな夢が、もはや叶わぬものとなりました。 堅実に働こうにも、営業時間の短縮を要請され、店を開けたところで、お客さんが来てくれません。 政府からの給付金だけではいかんともしがたく、もはや尋常の方法ではこの危機を乗り切ることなど、とてもできそうにありません。 宮本輝の小説「優駿」には、800万円を用意できなければ不渡りを出すところまで追い込まれた男が、手元にある金をかき集めて競馬場に向かう話が出てきます。こうして、男は倒産を免れたのでした。 金額こそちがえど、これに近い経験をしたことのある私には、まんざら絵空事とは思えないところがありますが、さすがに誰もが頼ることのできる手段ではありません。 それほどまでの一攫千金でなくてもいいのです。せめて、これまでの売り上げくらいは稼ぐことのできるビジネスはないものでしょうか。 あるとすれば、何らかの商品1セット、30万円くらいのものを販売して、5万円から8万円ほどの報酬が入ってくる代理店のような仕事か、いわゆるネットワークビジネスと呼ばれる仕事くらいのものでしょうか。 あるいは、当面はどうにか凌げそうで、長期的に不安だという場合には、利率のいい預金などが考えられるでしょうか。 たまたま私は、コロナの流行がまだそれほどひどくならないうちに、そのようなビジネスをいくつか紹介してもらい、条件と照らし合わせて、手をつけるビジネスを絞りこんでいきました。そのどれもが順調に進んでいて、確かなものだと信じています。自分で確かめたものですから、まちがいありません。このビジネスを援用すれば、現在困っている人にも救いの手を差し伸べることができること、まちがいありません。 この程度困っている人なら、これくらいの金額をこのように運用すれば、元の軌道に戻してあげられるかな。まあでも、当人にまったくお金がなければ、救えるのは1軒か2軒くらいかな。 そんな計算までできています。 ところが、困ったことに、この手の話はその入口で封じられてしまうことが多いのです。 そこで、私もまずは手初めに、ごくごく控えめな数字を出します。 ここに預けておくと、月3%の利息がつきます もうそれだけで、半数以上の人に怪しいと思われます。なぜ怪しいのか、その根拠を訊くと、返ってくる答えは、だいたい次のようなものです。 月3%なんてありえない。 おいしい話はみな詐欺ですよ。 逆に信用してくれる人に、どうして怪しいと思わなかったのかと尋ねると、これまた返ってくる答えはほぼ決まっています。 ほかの人だったら信用しなかったかもしれないけど。 確かな人の紹介ですから。 私を信用してくれるのはうれしいのですが、どちらにしても現在の金融情勢に基づいて判断した結果ではなく、ただの感情や気分から出た言葉にすぎません。 実際にはもっと利益が出るのですが、3%ですらこの反応なのですから、とりあえずはこれより大きな数字を出すのは控えておくことにしましょう。 では、どのくらいの数字であれば怪しくないと思ってもらえるでしょうか。 月0.5%、これなら信用してもらえそうです。銀行に預けるよりは有利ですが、それほどおいしいと言えるような利率ではありません。そんな話をもちかけてくる人がいても、けっしてめちゃめちゃおいしくはありません。だったら大丈夫かと言うと、けっしてそうとも言えないところがあります。 金利がそれほど高くないことで安心させておいて、集めたお金を持ち逃げするという手口もないわけではないからです。 ですから、おいしいから怪しく、それほどおいしくないから詐欺ではないとは必ずしも言えないのです。 となれば、おいしいとはいったいどういうことなのかという問題に、とことん向き合ってみようではありませんか。著者プロフィール辻谷真一郎 1953年生。翻訳講座トライアリスト主宰。 主な訳書に『インタビュー オサマ・ビンラディン』(ダイヤモンド社、原著イタリア語)、『ユマニチュード』(舵社、原著フランス語)、主な著書に『学校英語よ、さようなら』(文芸社)、『翻訳ほど残酷な仕事はない 第一部 天の利』、『翻訳ほど残酷な仕事はない 第二部 地の利』、『日本人に日本語を』、『人も歩けば若くなる』(以上、舵社)、『もしもアインシュタインが翻訳家だったら 第三部 情報量が翻訳の宇宙を支配する』『貧乏になる英語 金持ちになるギリシア語』(以上、夢叶舎)などがある。はじめに5ここに預けておくと、月3%の利息がつきます6第I章 おいしい話とおいしくない話7国民健康保険7税金の重さを感じさせないカラクリ8鍼治療には一銭も使えない健康保険10保険契約に関する法律に反することばかり10お客さまの身になって考えていない10重病人に何ら配慮することがないお役人11病名は肺血栓塞栓症12被害総額は2000万円12国民年金13勝手に連帯保証人にされ、預金残高まで調べられている14詐欺はみなおいしくない話14おいしくない話から始まる詐欺15第II章 怪しい話と怪しくない話16怪しいかどうかは心の問題16金利の高さ 月3%の金利は高いのか17月10%の金利を払って買ったテレビ171ヵ月で元を取った16万円のワープロ17世界でいちばん高い金利のつく仕事は18商品に人の手が加わって値打ちが増すように18取り扱う商品19英会話教材19水素水生成器20ダイヤモンド21日常雑貨22化粧品、健康食品22金融商品23得体の知れなさ――暗号通貨23取引所に口座を開設するだけでいい24暗号通貨には数知れない用途がある25実は円よりも安全な暗号通貨26報酬の仕組み26東京地裁の判決26バイナリーという「民主主義革命」28第III章 コロナで浮上してきた現実29可愛い動物たちが消えていく29誕生から成長を見守ったお店29生き残ったお店、消えたお店30お店がなす術もなく閉店に追いこまれる時代30話だけでもすればよかったと後悔したチュニジアのお店31コロナのあとは何もかもが大写しに見える32政治家の愚行32政治家の愚策32ここまで介入することができるのなら33大盛り禁止、おかわり禁止33食糧自給率40%には何の問題もない34高齢化の考え方を根本的に変える気はないか34政府はけっして助けてくれない36第IV章 私が厳選した6つのビジネス37トライアリストクレジット=TC37口座に入れておくだけで月3%386日で利息が返ってくる暗号通貨アービトラージ38元本の差によるアービトラージの組み合わせと報酬39先物アービトラージ40そのまま引き出してもよいし、元本に組み入れてもよい41TCの報酬はこれだけにとどまらない41直接紹介の報酬42バイナリーの報酬42トライアリストクレジットの引き際43募集を打ち切ったあとはどうなるか43あと、数ヵ月でできること44第2世代トライアリストクレジット45第2世代に加えられた制約45TCIIの報酬と仕組み46累積報酬額の上限は元本の5倍46トライアリスト個人先物46トライアリスト個人スポーツ47トライアリスト信託銀行アフィリエート47CRS = Common Reporting Standard 共通報告基準49アメリカの力を借りて日本政府の魔の手から自身を守る50トライアリスト信託銀行のこれだけの魅力51いっさいの税金がかからない51デビットカードの発行51トライアリスト信託銀行のアフィリエート募集52タイトルの決め方54トライアリスト環境保護動物プラセンタ54第V章 とことんおいしい話を作ってやろうか56おいしさが増すほど詐欺の可能性は低くなる56連帯を断たれているから、こんなおいしくない健康保険に甘んじている57直下の人たちを手厚く支える習慣575ヵ月で1,000ドルを4,600ドルにした裏ワザ58ちょっと助け舟を出してやれば1000ドルからでも大きくできる58元手がなくても始められる59200万借金しても、返済の心配がない59共同出資があらゆる問題を解決する59第2世代トライアリストクレジットにも打つ手がある60あまりにも無粋なまとめ61追記62著者プロフィール63